QUESTION

保険にはいくつか加入していますが、どれも法人契約です。法人で生命保険や医療保険に加入している場合、さらに個人で保険に加入する必要はありますか?

ANSWER

死亡保障や医療保障は、仮に法人保険で十分な保障を用意できている場合でも、法人から個人に全ての保険金を支給できるとは限りません。一定の金額(上限金額)以上はそもそも支給でき無いため、不足分は併せて個人でも保険に加入しておくのがオススメです。また、医療保障に関しては法人のお金を使って個人に一生涯の保障を用意することもできます。参考にしてみて下さい。

法人から個人に全ての保険金を支給できるとは限りません。

「法人で生命保険や医療保険に加入している場合、さらに個人で保険に加入する必要はありますか?」とのことですが、社長として5年、10年と会社経営をしていると、

  • 目先の節税対策でスポット的に法人保険に加入する。
  • 税理士や知り合いからお付き合いで、やむを得ず保険に加入する。

 といったことを繰り返し、様々な保険会社の様々な保険商品に加入し、万一の際にはかなりの死亡保障や医療保障が法人に支払われる状態になっているお客様も多いと思います。

 ただし、死亡保障も医療保障も、仮に法人保険で十分な保障を用意できている場合でも、法人から個人に全ての保険金を支給できるとは限りません。一定の金額(上限金額)以上はそもそも支給でき無いため、不足分は併せて個人でも保険に加入しておくのがオススメです。また、医療保障に関しては法人のお金を使って個人に一生涯の保障を用意することもできます。参考にしてみて下さい。

死亡退職金の上限以上は支給できない。相続税の納税資金も…。

 例えば、経営者に万一のことがあり、大きな保険金が支払われた場合でも、会社の状況によっては、遺族に対して十分な死亡退職金を支給できない場合があります。

 別のよくあるご質問で、役員退職金は(=役員最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率)で計算された金額を支給できる、という話を紹介しましたが、死亡退職金の場合もほぼ同様の計算によって支給できる上限金額が決まります。

 例えば、法人契約の保険で1億円の死亡保険金が会社に支払われた場合。上記の計算上、5,000万円が死亡退職金の上限となれば、残りの5,000万円の保険金は個人に支給することができません。この際、遺族が受け取る5,000万円が万一の保障として十分であれば法人保険だけで構いません。しかし、保障額として十分で無い場合には、法人保険で用意している死亡保障1億円以外に、個人でも万一の場合に備えて死亡保障を用意しておく必要があります。

 また、社長の奥様など遺族が法人の株式を引き継ぐ場合、法人の資産状況によっては多額の相続税が発生する場合もあります。設立からある程度年数が経過し、利益を出し続けている法人であれば、評価額も高くなります。この場合、相続税の納税用にやはり個人としてもある程度の死亡保障を用意することをオススメします。

医療保障も見舞金や弔慰金として支給できる限度額があります。

 医療保障の場合も同様で、万一の際に保障が支払われた場合、個人に対して十分な保障額を支給できない場合があります。注意が必要です。

 例えば、社長ががんになってしまった場合。法人契約のがん保険から会社に保険金が支払われますが、実際に医療費を支払うのは個人です。もちろん、法人に支払われる保険金をそのまま個人に支給できれば問題ありませんが、死亡保険金と同様に見舞金や弔慰金という形である程度の上限までしか支給できません。

 過去の判例では、ひと月にかかった30万円の医療費をそのまま法人から支給した際に、否認されたケースがありました。一般的に医療見舞金として法人から社長個人に支給できる金額は、おおよそ10万円程度。これが一つの目安になります。この場合も10万円が万一の医療保障として十分であれば法人保険だけで構いません。しかし、保障額が十分で無い場合には、法人保険で用意している医療保障以外に個人でも万一に備えて医療保障を用意しておく必要があります。

法人のお金で個人の一生涯の保障を用意する方法もございます。

 法人の医療保険にも様々な加入の仕方があります。例えば、法人で保険料を支払って一生涯の保障を用意。その保険契約を個人に名義変更することで、法人のお金で個人の一生涯の保障を用意する方法もございます。

 通常、個人で20〜25年かけて保険料を支払い、一生涯の保障を用意する保険商品。これを払込期間5年程度と短く設定し、5年間で一生涯分の保険料をまとめて支払います(法人は支払った保険料が全額損金となるため、利益を圧縮しながら法人で払い込みを完了することができます)。

 この保険契約を社長個人に名義変更(契約者変更)するわけですが、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、保険は「解約したと仮定した場合に支払われる金額」が評価額。法人で医療保障を用意したこの保険は、解約返戻金が無いためゼロ円で個人に保険を支給することができます。

 こうすることで、法人のお金を使いながら、個人としては医療保険の負担をすることなく、一生涯の保障を用意することができます。

 これはあくまで一つの保険活用方法に過ぎません。弊社では、お客様のご要望に合わせて最適な保険提案を行っております。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。