QUESTION

今年だけ支払う一括払いの節税保険で損金算入できる生命保険はありますか?保険料を損金に出来て、解約した時には解約返戻金が戻ってくるものを希望します。

ANSWER

解約返戻金がある保険商品と限定した場合、残念ながらそういった保険商品は存在しません。一般的に節税や利益の繰り延べに使われるような解約返戻金ありきの保険では、なかなかご希望の商品は無いものとご理解下さい。短期的な節税を検討する場合、節税せずに納税することや、経営セーフティ共済(倒産防止共済)の活用が現実的な選択肢になるかと思います。参考にしてみて下さい。

解約返戻金ありきの節税保険では、ご希望の商品はございません。

「今年だけ支払う一括払いの節税保険で損金算入できる生命保険はありますか?」とのことですが、解約返戻金がある保険商品と限定した場合、残念ながらそういった保険商品は存在しません。

 もちろん、掛け捨てタイプで解約時に全くお金が戻ってこないタイプの保険商品であれば大きな保障を買うことを目的として、当期の利益を使って損金算入しながら保険に加入することはできます。ただし、一般的に節税や利益の繰り延べに使われるような解約返戻金ありきの保険では、

  • 継続的に支払うタイプの節税保険は1回だけの支払いで解約すると、6〜7割の解約返戻金が限度。結果的に損をしてしまう。
  • 一時払いで払い込みが完了するタイプの保険商品は、そもそも損金性が認められていないため節税に活用できない。

 などの理由から、なかなかご希望の商品は無いものとご理解下さい。

1回だけの支払いで解約すると、6〜7割の解約返戻金が限度。

 別のよくあるご質問「逓増定期保険は1年だけの支払い(契約)で終わっても良い?」でも紹介しましたが、1年(年払で1回)だけ支払って契約を終えてしまう可能性が高い場合、そもそも節税保険の加入をオススメできません。

 これは上記のよくあるご質問の中でも紹介しましたが、どれだけ契約当初から解約返戻率が高い商品を選んだとしても、1年支払った段階で解約してしまえば払込保険料の6割〜7割程度しか解約返戻金を受け取ることができません。

 残り3〜4割を保険会社に取られてしまうのであれば、保険に加入せずに法人税を支払うほうが、手元により多くのお金を残すことができます。ですから、1年(年払で1回)だけ支払って契約を終えてしまう可能性が高い場合、そもそも保険の加入をオススメできません(一般的に、どの保険商品も3年以上継続して保険料を支払うことで、徐々に節税効果は高くなっていきます)。

一時払いタイプの保険商品は、損金性が認められていません。

 また、保険商品の中には一時払いという形で、1回だけの支払いで商品として保険料支払いが終了する商品もございます。ただし、こういった商品のほとんどは終身保険タイプ。

 期間に定めがあって(最終的には解約返戻金も保障も無くなるため)損金性が認められている定期保険と違い、終身保険タイプは期間に定めの無い(最終的には解約返戻金か保険金のどちらかを必ず受け取れる)ため、損金性は認められません。支払った保険料が全額資産計上となります。

 保険料としてキャッシュアウトしても、損金を作ることができないため、利益が出ていれば手元資金が減った状態で法人税を支払うことになります。資金繰りがかなり窮屈になってしまうため、資金が潤沢であったり、キャッシュフローに余裕が無い場合はあまりオススメできません。

納税や経営セーフティ共済(倒産防止共済)が現実的な選択肢に。

 お客様のケースのように、今期のみの節税を検討されている場合は、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、利益800万円未満であれば、軽減税率の範囲内(納税額も少額)です。税率も2割程度ですから、無理に節税を考えず、そのまま税金を納めることも有効な選択肢の一つです。

 また、資金繰りに余裕があったり、可能な限り税金を安く抑えたい場合には、年間240万円までの掛金が全額損金となる経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)がオススメです。

 倒産防止共済は、12ヶ月以上継続することで下記のように初年度80パーセント以上の解約金を受け取ることができます。



倒産防止共済の解約手当金
参考:中小機構ホームページ 解約手当金についてより

 短期的な利益を節税する場合には、まずはこの年間240万円(累計800万円)までの加入枠を全て使い切ってから保険加入を検討してみてはいかがでしょうか?

 今期のみの節税という場合には、なかなか保険を活用した節税対策は難しいですが、2年〜3年と保険料を支払える体力がある場合は、様々な選択肢から節税保険を選ぶことができます。弊社ではお客様の状況に合わせて最適な提案を行っております。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。