QUESTION

年間保険料300万円の逓増定期保険を3年間(合計900万円)支払って解約しました。1/2損金だったので450万円の保険積立金がありました。解約返戻金は460万円だけでした。損をしたのしょうか?逓増定期保険は途中解約だから解約返戻金が少ないのでしょうか?

ANSWER

結論から言ってしまえば、この契約の場合は完全に損をしてしまっていると言えます。

この逓増定期保険は完全に損をしてしまっていると言えます。

「解約返戻金は460万円だけでした。損をしたのしょうか?」とのことですが、結論から言ってしまえば、この契約の場合は完全に損をしてしまっていると言えます。

 合計900万円の保険料支払いに対して、解約返戻金が460万円ということは、単純な解約返戻率で言うと51パーセント程度で解約したものだと思います。支払った保険料のおおよそ半分しか戻ってきていないため、ざっくばらんな話をしてしまえば、

  • 様々な事情を加味しても、このタイミングでの解約は早すぎた(もったいなかった)。
  • 税効果を考えても、保険会社に取られ過ぎているため保険に入らないほうが良かった。

 というのが客観的な意見です。

「逓増定期保険は途中解約だから解約返戻金が少ないのでしょうか?」とのことですが、「逓増定期保険だから…」というよりも、「商品設計上、3年での解約だと戻り率の低い保険に加入していた」ために解約返戻金が少なくなってしまったものと考えます。

逓増定期保険と一言に言っても、その解約返戻率の推移は様々です。

 逓増定期保険と一言に言っても、その解約返戻率の推移は様々です。例えば、同じ40歳男性を被保険者とした逓増定期保険でも、下記のように

  • どのタイミングに解約返戻率のピーク時期を設定するのか?
  • どの保険会社の逓増定期保険に加入するのか?

 で、解約返戻率の推移は異なります。

逓増定期保険の返戻率比較

(※これはあくまで一例です。実際には数百パターン近い選択肢が存在します)

 おそらくお客様が加入された逓増定期保険というのは、A生命のように「解約返戻金抑制型」あるいは「低払い戻し金型」と呼ばれる契約開始からの数年間の戻り率を低く抑え、その代わりにピーク時の解約返戻率を高めるオプションが付いていた保険だったのではないでしょうか?このタイプの逓増定期保険の場合、その商品設計上、どうしても3年などの早期解約の際にはお客様のケースのように低い解約返戻金しか戻ってきません。

 一方で、B生命のように契約当初から解約返戻率が高く(解約返戻率の立ち上がりが早いと言ったりします)、3年間も支払えば払い込んだ保険料の9割を戻すことができる逓増定期保険もございます。仮に今回のケースでこういった保険商品を選んでいれば、それなりの節税効果を得ることができたかもしれません。また、C生命のように解約返戻率のピークを後半に設定して、単純な解約返戻率を100パーセント以上にできる逓増定期保険もございます。

逓増定期保険の加入時に法人の状況を見極められなかったことが原因?

 今回のように低い解約返戻率で解約せざるを得ない状況になってしまった原因としては

  • 逓増定期保険の加入に際して、しっかりと法人の状況を見極められなかった。
  • 向こう2〜3年の売上予測などを加味せず、目先の節税だけで加入してしまった。
  • 単純に商品選びの方法が誤っていた。

 などの理由が考えられます。

 別のよくあるご質問でも紹介しましたが、保険料が大きく設定できる。高い解約返戻率が設定できる。名義変更プランで個人に効率よく資産を移せる、などといった点から逓増定期保険は法人の節税対策で重宝される保険商品です。

 ただし、逓増定期保険であればどんな商品でも良いわけではありません。

  • 売上の見通しや、法人の決算状況もしっかりと考慮に入れて商品選びをする。
  • 数社だけでなく20社近い保険会社から比較・検討をする。

 といったことが非常に重要です。自社に合った最適な加入の仕方を選ばなければ、大きな節税効果を生むことはできません。

「節税保険に加入して損をしてしまう…」ことを防ぐために。

 例えば、

  • 2、3年程度しか売上の見通しが立たない。
  • 社歴も浅く、過去の実績も無く、まだまだ業績は読みにくい。

 というケースでは、

  • ピーク時の返戻率が低くなっても無理せず早い段階から解約返戻率の伸びが早い保険商品で利益を繰り延べていく。
  • 保険料の払い込み回数が3〜4年の短期間で完結するタイプの節税プランを組む。

 といった選択肢も検討すべきです。

 また、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、利益800万円未満であれば、軽減税率の範囲内(納税額も少額)です。税率も2割程度ですから、無理に節税を考えず、そのまま税金を納めることも有効な選択肢の一つです。

 ある程度、法人としての基礎体力(内部留保や含み資産)を蓄える。そうやって資金的にも余裕が出たタイミングで初めて節税保険を検討する、というのも決して遅くありません。そうすることで、今回のように「保険に加入して損をしてしまった…」というようなケースは防いでいけると思います。

 弊社では、お客様のご要望や決算状況に合わせて、「そもそも保険に加入する必要があるのかどうか?」も含めて、最適な提案を行っております。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。