QUESTION

逓増定期保険の名義変更プランに加入しています。加入当時の担当者が変更となり、私自身も当時の契約内容がうろ覚えです。逓増定期保険の名義変更プラン、買取価格は解約返戻金でしたでしょうか?

ANSWER

「その保険を解約したと仮定した場合に支払われる金額」が評価額です。必ずしも解約返戻金と同額とならない場合がございます。注意が必要です。

当該契約を解除したとした場合に支払われる金額の合計額。

 法人に貯まった利益を効率よく個人の資産へ移せる点から、ある程度の高額な役員報酬を設定するオーナー経営者に多く利用されているのが逓増定期保険の名義変更(契約者変更)プランです。

「逓増定期保険の名義変更プラン、買取価格は解約返戻金でしたでしょうか?」とのことですが、下記の国税庁ホームページ(所得税基本通達36-37)に記載されている通り、保険契約は「当該契約を解除したとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合には、これらの金額との合計額)により評価」します。

 簡単に言ってしまえば、「その保険を解約したと仮定した場合に支払われる金額」が評価額です。必ずしも解約返戻金と同額とならない場合がございます。注意が必要です。



(保険契約等に関する権利の評価)

36-37 使用者が役員又は使用人に対して支給する生命保険契約若しくは損害保険契約又はこれらに類する共済契約に関する権利については、その支給時において当該契約を解除したとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合には、これらの金額との合計額)により評価する。

所得税基本通達36-37

参考:国税庁ホームページ 所得税基本通達36-37より


 上記、国税庁ホームページにも紹介されているとおり、解約返戻金だけでなく、実際に支払われるであろう金額を全てまとめて評価額とします。

名義変更時期で買取金額や発生する雑損失の金額も変わる。

 逓増定期保険を販売する保険会社によっては年払いしている保険料のうち、未経過保険料(まだ充当されていない保険料)を戻す保険会社もございます(特に2011年以降の契約には、この未経過保険料のしくみが適用されている場合が多いため注意が必要です)。この場合、解約返戻金だけでなく、未経過保険料も含めて名義変更時の保険の評価額とします。

 そのため、1年間のどの時期に名義変更するのかによって、名義変更時の評価額が変動し、個人が法人に支払う買取金額や、名義変更時に法人で発生する評価損(雑損失)の金額が変わります。



【例:逓増定期保険の名義変更プランに加入中】

  • 年間保険料1,200万円の逓増定期保険(半分損金)
  • これまで4年間で4,800万円の保険料を払込。
  • 半分の2,400万円が累計の損金額。残り2,400万円が資産計上額。
  • 保険解約時には未経過保険料が支払われるタイプの逓増定期保険。


名義変更時の評価額と雑損失

 例えば、上記のような逓増定期保険を契約している場合。

 年払保険料(1,200万円)を支払った1ヶ月後に名義変更をした場合、保険料はまだ1ヶ月分(100万円)しか充当されていないため、年払保険料のほとんど(1,100万円)が未経過保険料として評価されます。このため、未経過保険料(1,100万円)+解約返戻金額(850万円)=名義変更時の評価額(1,950万円)となります。個人から法人に支払う金額も大きく、また名義変更に発生する評価損(雑損失)も450万円と小さくなります。

 一方で、年払保険料(1,200万円)を支払った12ヶ月後に名義変更をした場合、未経過保険料は発生しません。このため、未経過保険料(0円)+解約返戻金額(850万円)=名義変更時の評価額(850万円)となります。個人から法人に支払う金額も最小限に抑えられ、名義変更に発生する評価損(雑損失)は1,550万円と大きな損金額を計上することが可能です。

(※保険会社によって、未経過保険料が発生する場合と発生しない場合がございます。ご注意下さい)

 弊社ではお客様の状況に合わせて、未経過保険料を考慮したスケジュールや保険会社選びで最適な逓増定期保険の名義変更(契約者変更)プランを提案します。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。