QUESTION

年齢的、健康的な理由で役員に保険をかけることが難しいです。そこで社員に保険をかけることを検討しています。社員に節税保険をかけるリスクやデメリットを教えて下さい。

ANSWER

以下に、社員を被保険者とする節税保険のリスクやデメリットをまとめました。参考にしてみて下さい。

社員の退職による早期解約リスクは避けられない。

 一つ目のポイントは早期解約リスクです。別のよくあるご質問でも紹介しましたが、被保険者を社員とする退職金積み立ての場合、どうしても社員の退職リスクは避けられません。

  • 保険の対象者(被保険者)が退職すれば保険契約を続けることができない。
  • そのため、想定外の早期退職の場合、低い解約返戻率で保険解約になってしまう。

 といったリスクがあります。社員の退職リスクだけは、なかなか法人側ではコントロールしづらいものです。予期せぬ早期退職によって払込保険料を大きく下回る解約返戻率での解約になってしまえば効果的な節税対策にはなりません。

 そのため、たとえ従業員の退職金積立用保険であっても、ある程度コントロールが効きやすく退職リスクも低い、社長や役員を被保険者として社員の退職金積み立てを行うお客様も増えています。

社員が加入する場合はそもそも高額な保障を設定出来ない。

 二つ目のポイントは加入できる保障額です。役員が加入する逓増定期保険などと違い、社員が加入する保険はそもそも高額な保障を設定出来ません。

 例えば、保険自体は死亡保障1億円まで設定できる商品であっても、

  • 加入に際して役職の無い社員は死亡保障3,000万円までしか引き受けない。
  • 部長職などの役職がついていない限り、役員と同等の保障額は設定できない。

 など、保険会社ごとに加入の上限や条件を設けている場合もございます。高額な保障額を設定できないことで、

  • 被保険者の数を増やさなければならない(早期退職リスクが高まる)。
  • 目標とする節税額(保険料)に届かない。

 といったケースも考えられます。

弔慰金規定や退職金規程を整備しておく必要がある。

 三つ目のポイントとして、弔慰金規定や退職金規程を整備しておく必要が生じます。

  • 福利厚生として部長職以上の社員には一定額の保障をかけるようにしている。
  • 勤続年数3年以上の社員に福利厚生として一定額の保険に加入するようにしている。

 など、社員に節税保険をかける場合には、保険加入や退職時の解約に関して、弔慰金規定や退職金規程をしっかりと整備しておく必要があります。規定を整備せず、序列を無視して特定の社員だけを加入させた場合は

  • 保険料として損金算入が認められない。
  • 保険料が給与扱いになってしまう。

 などといった可能性も考えられます。注意が必要です。

 また、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、役員が保険に未加入で、社員だけが高額な保険に加入する場合には、税務署に対して合理的に説明できる。会社で弔慰金規定や退職金規程がしっかりと整備されている、という点もクリアする必要があります。別のよくあるご質問「役員が未加入。社員だけが節税保険に加入した場合も損金になる?」の中でも詳しく紹介していますので、併せて参考にしてみて下さい。

本当に役員は保険に加入できないか?の検討も効果的。

 補足として、「年齢的、健康的な理由で役員に保険をかけることが難しいです…」とのことですが、各保険会社によって引受能力は異なる、ということをどうかご理解下さい。

 Aという保険会社では、年齢的、健康的な理由で加入できない場合も、Bという保険会社では節税保険に加入できるケースもございます。社員での保険加入を検討する前に、まずは節税保険を扱う全ての保険会社で「本当に役員だけで保険に加入できないか?」を検討してみるのも効果的です。

 弊社ではお客様の状況に応じて、引受能力の高い保険会社(商品)も紹介しております。ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。