QUESTION

今期はこのままいくと赤字が出そうです。そのため現在かけている保険の中から半分損金で支払っている逓増定期保険を解約しようと考えています。基本的な考え方としては解約返戻率の高いものから解約していくイメージで間違いないですか?

ANSWER

単純に解約返戻率の高いものから解約していくのではなく、しっかりとしたシミュレーションを組んで「どの解約方法が一番損しないか?」を見極めたうえで解約していくのがオススメです。

単純に解約返戻率の高いものから解約してはいけない?

「基本的な考え方としては解約返戻率の高いものから解約していくイメージで間違いないですか?」とのことですが、単純に解約返戻率の高いものから解約していくのではなく、しっかりとしたシミュレーションを組んで「どの解約方法が一番損しないか?」を見極めたうえで解約していくのがオススメです。



【例:どちらの逓増定期保険を解約するべきか】

  • 同じ年に契約して今年で4回目の払込をした逓増定期保険。
  • 4年目の解約返戻率でどちらかの保険を解約しようとしている。
  • どちらも年間保険料は500万円(半分損金)。


どちらの逓増定期保険を解約していくか

 例えば、過去に上記の2つの逓増定期保険(半分損金)を契約。既に4回目の保険料を支払い、4年目(赤枠)のタイミングでどちらの保険を解約するべきか検討しているとします。

 4年目の解約返戻率を比較すると、Aの逓増定期保険は解約返戻率64.0パーセント。一方で、Bの逓増定期保険は解約返戻率85.0パーセントです。単純に現時点での解約返戻率だけを比較すると、解約の候補となるのはBの逓増定期保険のように思えます。

 しかし、この場合、プロの目から見てどちらの保険を解約するべきかと言えば、間違いなくAの逓増定期保険です。

早期に損切り(解約)したほうが良い保険商品も存在します。

 ざっくばらんな話をしてしまえばAの逓増定期保険は、そもそも加入してはいけない保険です(付き合いなど、やむを得ない事情が無い限り、そもそも加入を検討するタイミングで選択肢から外すべき保険です)。

 Aの逓増定期保険は、保険料を10年支払っても解約返戻率は70パーセントだけ。10年継続して解約しても、解約時にはかなりの金額(1,500万円)を保険会社に取られてしまいます。解約返戻率の伸び方が悪く、保険契約を継続しても、支払う度に損失が増えます。早期に損切り(解約)するべき保険と言えます。

 一方で、Bの逓増定期保険は、保険契約を継続していくことで、保険会社に取られる金額を抑えていける良い保険です。保険料を10年支払えば、解約返戻率は97.5パーセント。仮に10年後に解約した場合でも、その目減り額はわずかに2.5パーセント(125万円)だけ。支払った保険料のほとんどを受け取ることができる、言わば「解約返戻率の伸び方が良い保険」と言えます。

 これが「プロの目から見てどちらの保険を解約するべきかと言えば、間違いなくAの逓増定期保険」である理由です。

様々な条件を加味しながら、比較やシミュレーションを行う。

 今回は、分かりやすいようにあえて極端な例を挙げましたが、実際の保険契約でも、

  • 将来的な解約返戻率の推移(伸び方)はどうか?
  • 保険料の損金性はどうか(全額損金なのか、半分損金なのか)?
  • 税制改正前、利率改訂に加入した、お宝保険かどうか?
  • 解約返戻金は全て解約するべきか、一部を部分解約すべきか?

 などなど。様々な条件を加味しながら、比較やシミュレーションを行う必要がございます。単純に「解約返戻率の高いものから解約していく」だけでは、効果的な節税対策や保険活用はできない、ということをどうかご理解下さい。

 弊社では、他社でご契約された保険商品を含め、現在のご契約状況からシミュレーションを作成し、最適な解約プランを計画することも可能です。どうぞ、お客様にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。