QUESTION

全額損金で支払っている保険の解約を検討中です。解約前に契約者貸付を使っており、解約時に貸付が相殺されます。この場合、相殺後の金額に課税ですか?それとも解約返戻金の全額に対して課税ですか?

ANSWER

解約返戻金全額に対して課税となります。実際に手元に戻ってくる金額よりも多くの額が課税対象となります。注意が必要です。

実際に手元に戻ってくる金額よりも多くの額が課税対象に。

「この場合、相殺後の金額に課税ですか?それとも解約返戻金の全額に対して課税ですか?」とのことですが、このケースでは解約返戻金全額に対して課税となります。実際に手元に戻ってくる金額よりも多くの額が課税対象となります。注意が必要です。

 法人の節税対策に活用される保険の多くには、契約者貸付制度と呼ばれる、解約返戻金の中から一定の範囲(通常8割程度)で保険会社から貸付を受けるオプションがついています。

  • 保険を解約したくは無いが、一時的に資金が必要となった。
  • 保険の解約で利益計上したくないが、貯まっている資金を活用したい。

 こういった場合によく利用されるのが契約者貸付です。銀行から融資を受ける場合と比較して、金利はあくまで普通(よりやや高め)。そのため、急を要する事態が発生した場合などに利用されるオプションとも言えます。



【例:契約者貸付中の保険(全額損金)を解約した場合】

  • 支払った保険料の累計は2,000万円(全額損金)
  • 現在の解約返戻金は1,600万円(80パーセント)
  • 限度額の1,280万円(解約返戻金の8割)まで契約者貸付を利用。


 例えば、上記の保険契約を解約した場合、資金的には解約返戻金(1,600万円)−貸付金から相殺(1,280万円)=320万円が手取り額として残ります(※金利が発生するため実際の手取り額はもう少し減ります)。

 ただし、帳簿上の評価は実際の手取り額とは異なるため、注意が必要です。

 帳簿上は、評価ゼロ円だった全額損金の保険を1,600万円分の解約返戻金として、いったん現金化。その後、貸付金(1,280万円+金利)と相殺させます。そのため、手取り額は320万円であっても、実際は解約返戻金の全額1,600万円が今期の決算に利益(雑収入)として計上されます。

 法人の決算上で赤字が無ければ、1,600万円全額が課税対象となります。実際に手元に戻ってくる金額よりも多くの額が課税対象となってしまうため、注意が必要です。

 顧問税理士とよく相談し、資金繰りや納税のスケジュールなどを考慮して保険の解約を判断するようにして下さい。