QUESTION

現在、全額損金になる逓増定期保険を販売している保険会社はありますか?

ANSWER

全額損金の逓増定期保険を販売している保険会社は複数社あります。ただし、デメリットや加入条件もございます。参考にしてみて下さい。

全額損金は、あくまで逓増定期保険のカスタマイズの一つ。

 まず前提として、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、そもそも全額損金、半分(1/2)損金、1/4損金といった損金割合は、あくまで逓増定期保険のカスタマイズの一つ。自動車を購入する場合に置き換えた場合、「逓増定期保険」が自動車そのものだとしたら「全額損金」というのは、カーナビや内装など、カスタマイズやオプションのようなもの、だとご理解下さい。

「現在、全額損金になる逓増定期保険を販売している保険会社はありますか?」とのことですが、全額損金の逓増定期保険を販売している保険会社は複数社あります。ただし、デメリットや加入条件もございます。参考にしてみて下さい。

35歳までの被保険者は全額損金の設定が選べます。

 逓増定期保険において全額損金の設定(オプション)を選ぶには、被保険者(保険をかける対象の方)が36歳未満である必要があります。35歳までの被保険者であれば全額損金の設定をすることができますが、36歳以上の場合は全額損金の逓増定期保険にすることができません。

 ある程度、若い社長や役員であれば、この全額損金の選択肢を検討できます。しかし、現実的には逓増定期保険を検討する社長や役員のほとんどがこの年齢制限をクリアできません。これが一般的に逓増定期保険は半分(1/2)損金というイメージが先行している理由でもあります(実際は全額損金だけでなく1/4損金など細かく損金割合を設定することが可能です)。

(※なお36歳以上の被保険者で節税を検討する場合は、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、全額損金の逓増定期保険以外にも、全額損金の定期保険、全額損金の生活障害定期保険といった選択肢もございます。こちらもご検討頂ければと思います。)

全額損金の逓増定期保険。設定できる保険料は少額です。

 また、仮に若い被保険者で全額損金の逓増定期保険に加入できたとしても、設定できる保険料は非常に少額です。

 例えば、保険金額1億円を設定する場合、



【例:男性を被保険者とした逓増定期保険】

  • 全額損金の場合は保険金額1億円で年間保険料100万円。
  • 半分損金の場合は保険金額1億円で年間保険料1,000万円。


 といった具合です。

 全額損金の逓増定期保険で設定できる保険料は、半分損金の10分の1程度ということも。損金率は高めることができても保険料を大きく設定できない、ということをご理解下さい。

逓増定期保険の加入枠を効率良く使えない可能性も。

 また、逓増定期保険は、各保険会社、各商品において加入できる限度額が存在します(この限度額は保険金額で決定します)。例えば、「Aという保険会社では被保険者一人につき、一つの保険会社で加入できる金額(加入枠)は保険金額1億円まで」といった具合です。

 保険金額に対して保険料が少額しか設定できない場合、この加入枠を効率良く使えないため注意が必要です。



【例:加入しようとしている逓増定期保険】

  • 5年で解約返戻率のピークを迎える逓増定期保険を探している。
  • 条件面で有利な上位の3社(下記の商品)が候補に挙がっている。


半分損金と全額損金の逓増定期保険比較

 この場合、単純に1年目〜5年目までの解約返戻率を比較するとA生命の逓増定期保険が一番良い条件となります。ピークとなる5年目の解約返戻率を比較してみても、A生命とC生命では10パーセント以上の開きがあるため、可能な限りA生命の加入枠で逓増定期保険を契約したいところです。

本来であれば500万円の損金を作るポテンシャルの商品が…。

 半分損金の設定であれば、A生命だけで年間保険料1,000万円(損金は500万円)まで加入できます。会社の資金繰りに余裕がある場合は、一番条件の良い1社だけで、ある程度の金額まで節税プランを計画することができます。

 一方で、全額損金の設定にしてしまえば、設定できる年間保険料は100万円(損金も100万円)まで。本来であれば、A生命は良い条件を満たしつつ、500万円までの損金を作り出すポテンシャルのある逓増定期保険。しかし、せっかく良い条件の保険も全額損金の設定にしてしまえば、わずか100万円の損金しか作り出すことができません。

 全額損金の設定は、確かに資金効率は良くなります。しかし、

  • 年間保険料100万円以上を設定したい場合は、条件の悪いB生命やC生命を併せて契約する必要がある。
  • 複数社を同時に契約するため必然的に保険金はかなり高額に。法人の状況によっては、そもそも保険会社が引き受けてくれないことも。
  • 来期以降、追加で契約したい場合に、加入できる逓増定期保険の枠が無くなってしまう。

 といったリスクも考えられます。

解約返戻率も半分損金の場合ほど高く設定できない。

 また、別のよくあるご質問の中で、節税対策に活用される法人保険のほとんどは、損金割合が高くなればなるほど解約返戻率は低くなる。損金割合が低くなればなるほど解約返戻率が高くなる傾向がある、という話を紹介しましたが、これは逓増定期保険にも当てはまります。

 逓増定期保険も全額損金の設定にする(損金割合が高くなる)ことで、半分損金の場合と比較して解約返戻率は下がります。実際に10パーセント〜15パーセントの差が生まれる場合もございます。

半分損金と全額損金の逓増定期保険比較2

 繰り返しとなりますが、全額損金の逓増定期保険を販売している保険会社は複数社あります。ただし、デメリットや加入条件もございます。

 弊社ではお客様の状況に合わせて最適なプランを提案可能です。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。