QUESTION

法人契約の保険、払済終身保険になっています。この保険を役員個人に名義変更する場合はどういう経理処理になるのでしょうか?

ANSWER

払済終身保険の解約返戻金を時価として、法人と個人間で取引を行います。個人は解約返戻金相当額を法人に支払い、法人は払済終身保険の解約返戻金額と資産計上額との差額を雑収入(あるいは雑損失)として計上します。

解約返戻金を時価として、法人と個人間で取引を行う。

「法人契約の保険、払済終身保険になっています。この保険を役員個人に名義変更する場合は…」とのことですが、おそらく既に法人で何年か保険料を払い込んだ契約を、払済終身保険へ変更。その後、その保険を役員個人の契約として名義変更するものだと思います。

 この場合、払済終身保険の解約返戻金を時価として、法人と個人間で取引を行います。



【例:現在加入している払済終身保険】

  • 解約返戻金1,050万円(105%)。
  • 今までに支払った保険料累計は1,000万円。
  • 帳簿上は1,000万円の保険として資産計上されている。


 定期保険や逓増定期保険を払済終身保険にした場合、変更時点での解約返戻金を原資として帳簿上、資産に計上されます。上記の場合、帳簿上は1,000万円の価値がある保険と評価されます。その保険契約を実際に法人から個人に名義変更(売却)する際、

 別のよくあるご質問でも紹介しましたが、法人保険の場合、原則として解約返戻金額(保険会社によっては未経過分の保険料も)が時価となります。保険契約を法人から個人に名義変更する場合、個人はこの時価に相当する金額を法人に支払って契約者変更をする必要があります。

解約返戻金が100%以上の払済終身保険の場合。

 具体的には

  • 役員個人が解約返戻金相当額の1,050万円を法人へ支払う。
  • 役員個人から法人への貸付金が多い場合は、個人→法人への貸付金を解約返戻金分だけ相殺することも可能。
  • 役員退職金として現物支給する場合は、退職金の中から1,050万円分を保険として現物支給する。

 といった具合です。

 法人は帳簿上1,000万円の価値があると思っていた保険が、実際に時価(解約返戻金)で評価して個人に売却すると、1,050万円の値段がつきます。そのため、1,050万円(解約返戻金額)-1,000万円(資産計上額)=50万円を差額として利益計上(雑収入)します。

解約返戻金が100%未満の払済終身保険の場合。

 払済終身保険の場合は、解約返戻金が100パーセントを超えるケースも多くありますが、一方で解約返戻金額が100パーセントを下回る場合は、



【例:現在加入している払済終身保険】

  • 解約返戻金950万円(95%)。
  • 今までに支払った保険料累計は1,000万円。
  • 帳簿上は1,000万円の保険として資産計上されている。


  • 役員個人が解約返戻金相当額の950万円を法人へ支払う。
  • 役員個人から法人への貸付金が多い場合は、個人→法人への貸付金を解約返戻金分だけ相殺することも可能。
  • 役員退職金として現物支給する場合は、退職金の中から950万円分を保険として現物支給する。

 となります。

 法人は帳簿上1,000万円の価値があると思っていた保険が、実際に時価(解約返戻金)で評価して個人に売却すると、950万円の値段になります。この場合、目減り分が評価損となります。1,000万円(資産計上額)-950万円(解約返戻金額)=50万円を差額として損金計上(雑損失)します。

 参考にしてみて下さい。