QUESTION

当初、退職金積み立て用に加入していた逓増定期保険を、解約返戻率がピークのタイミングで退職しなかった場合、例えば5,000万円程度の解約返戻金で法人名義で不動産(10戸程度の賃貸マンション)を購入することはできますか?退職金積み立て目的ですが、まだピークのタイミングで退職するかどうか分からないので、別の選択肢も検討中です。

ANSWER

もちろん不動産を購入することは可能です。ただし、マンションなどの不動産購入は減価償却によって費用計上します。基本的には購入費用全額を一期で損金計上することはできませんので、注意が必要です。

基本的には購入費用全額を一期で損金計上できない。

「5,000万円程度の解約返戻金で法人名義で不動産(10戸程度の賃貸マンション)を購入することはできますか?」とのことですが、もちろん不動産を購入することは可能です。ただし、マンションなどの不動産購入は減価償却によって費用計上します。基本的には購入費用全額を一期で損金計上することはできませんので、注意が必要です。

 一般的にピークを迎えた解約返戻金の出口対策(使い道)として考えられるのが

  • 社長や役員の退職金。
  • 不動産等の大規模修繕。

 です。役員退職金や大規模修繕は、その費用を一括で損金とすることができるため、一期に大きな利益が発生する保険の解約返戻金との相性が良く、その出口戦略として良く用いられます。

資金繰りが厳しくなるため安易な不動産の購入はNG。

 一方で、マンションなどの不動産購入は原則として一括で損金とすることができません。

 仮に逓増定期保険(半分損金)の解約返戻金5,000万円を原資に法人名義のマンションを購入した場合、キャッシュインが5,000万円でキャッシュアウトが5,000万円と資金的には帳尻が合います。しかし、キャッシュアウトした5,000万円はそのほとんどを損金計上できないため、注意が必要です。



例:

  • 保険料は半分(1/2)損金。
  • 解約返戻金5,000万円(90.9%)
  • 今までに支払った保険料累計は5,500万円。



 保険の解約時は「5,000万円(解約返戻金)-2,750万円(資産計上額)=2,250万円(利益)」の計算で2,250万円が利益(雑収入)となります。

 5,000万円の法人名義のマンション購入によって2,250万円以上の経費を一括で計上できなければ、その差額分は「手元資金が無いのに利益だけが発生する」状態になります。会社の資金繰り的にもかなり厳しくなる可能性もあるため、安易に不動産を購入することはオススメできません。

出口対策(戦略)がしっかり決まっている節税保険を。

「退職金積み立て目的ですが、まだピークのタイミングで退職するかどうか分からないので、別の選択肢も検討中です…」とのことですが、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、大前提として出口対策(戦略)がしっかりとしていない節税保険の加入はあまり好ましい入り方ではありません。

 もし、退職時期がまだ決まっていない(あるいは、かなり先のことになる)場合は、例えば出口戦略がしっかり決まっており、期間も短く完結する逓増定期保険の名義変更プラン(例:法人が3〜4年支払い、個人に名義変更して完結する)などの選択肢を考えるほうが賢明です。参考にしてみて下さい。