QUESTION

半分損金と全額損金で悩んでいます。どちらが節税的には優れているでしょうか?利益500万円程度です。半分損金と全額損金で悩んでいます。一つは半分損金で年間保険料は400万円。5年間支払を続けると5年後には解約返戻率が94.2%(1,884万円)実質返戻率は108.2%になります。もう一方は全額損金で年間保険料200万円。5年後の解約返戻率は80.4%(804万円)実質返戻率は108.2%になります。どちらのほうが節税的には優れているでしょうか?毎年の利益は500万円程度を予想しております。

ANSWER

キャッシュフローに余裕がある場合は半分損金。キャッシュフローに余裕が無い場合は全額損金か、あるいはそもそも保険の契約を見送るのが最善かもしれません。

 保険の契約は会社の資金繰りや売上の見通しなど様々な要素を加味しながら決定する必要があるため、頂いた情報だけでは完璧な提案は出来ないことをご理解下さい。ここでは一般的なケースを仮定してご質問に回答します。

 まず、重要な判断基準となるのが「会社の資金繰りやキャッシュフローにどれだけ余裕があるか?」という点です。頂いたケースの場合、結論から言ってしまえば、キャッシュフローに余裕がある場合は半分損金。キャッシュフローに余裕が無い場合は全額損金か、あるいはそもそも保険の契約を見送るのが最善だと考えられます。

まず、会社の資金繰りやキャッシュフローに余裕がある、あるいは潤沢である場合を想定します。

  • 会員制のビジネスなど、ある程度積み上げ式で数年先の売上が見越せる。
  • ここ数年で会社の内部留保がある程度蓄えられている。
  • 今回契約する以外の保険契約で解約返戻金(含み資産)がある程度蓄えられている。

 などなど。仮に新しい保険契約で、大きな年払い保険料を支払った(キャッシュアウトした)としても、資金繰りが極端に悪化しない、会社として十分に資金的な余裕がある、といった場合には間違いなく「半分損金で年間保険料は400万円。5年間支払を続けると5年後には解約返戻率が94.2%」の契約のほうが優れているといえます。

資金的な余裕があるなら純粋な解約返戻率が高い商品を選ぶ。

 なぜ半分損金の商品のほうが優れているかといえば、税効果を加味しない純粋な解約返戻率が高いためです。法人契約の保険で節税対策を考える場合、どうしても目先の損金性や節税効果(実質返戻率)にとらわれがちです。しかし、節税対策のために法人保険を検討する場合、最も重要なポイントとなるのが「税効果を加味しない純粋な解約返戻率の高さ」です。言い換えれば「いかに保険会社に取られないか」という点です。

 いくら損金性や節税効果の高い保険商品を選んだとしても、最終的に解約する際の戻り率(手元に戻ってくる現金の割合)が低ければ、大きな節税効果を手にすることはできません。

 例えば、今回のケースで言えば、半分損金の商品は解約返戻率が94.2%とかなり高く設定できます。年間保険料400万円、5年間で2,000万円の払込みに対して、解約返戻金が1,884万円。5年間分の保険(死亡保障)代とその他の費用を含め、保険会社に取られるのはわずかに、5.8%(116万円)だけ。1年あたりにすると約23万円しか取られません。

 一方で、全額損金の商品は解約返戻率が80.4%と、半分損金の商品ほど戻り率は高く設定できません。年間保険料200万円、5年間で1,000万円の払込みに対して、解約返戻金が804万円。5年間分の保険代とその他の費用を含め、保険会社に取られるのは19.6%(196万円)。1年あたりでも約39万円と、半分損金の商品の約1.7倍のコストがかかります。

 これが、半分損金で年間保険料は400万円。5年後には解約返戻率が94.2%の契約のほうが優れている理由です。半分損金の商品のほうが、より「税効果を加味しない純粋な解約返戻率」が高く、より「保険会社に取られない」商品と言えます。

 確かに同じ利益200万円を圧縮する(損金を作る)ために、全額損金の商品であれば年間200万円の保険料ですみます。一方で、半分損金の商品であれば年間400万円の保険料がかかります。

 ですから、資金繰りやキャッシュフローに余裕がない場合は、そもそも半分損金の商品を選んではいけません。無理をして保険に加入してしまえば、支払い続けることができず、契約から1〜2年経過後の低い戻り率で解約せざるを得ないケースも出てきます。保険を使った節税対策において、無理のある保険料設定は絶対に禁物です。資金繰りやキャッシュフローにあまり余裕が無い場合は、多少、保険に加入するためのコストが増えたとしても、全額損金の商品を選択するのがベストです(あるいは、そもそも保険契約自体を見送る、というのも賢明な判断です)。

 一方で、資金繰りやキャッシュフローに余裕がある場合は、保険会社に取られるコストを徹底的に減らしていくべきです。なるべく「税効果を加味しない純粋な解約返戻率」が高い商品を選び、なるべく「保険会社に取られない」商品を選択することで、保険による節税効果を最大化することにつながります。

 なお、ここで紹介したケースはあくまで一例です。お客様の状況に合わせて最適な選択は異なります。半分損金と全額損金、どちらの保険契約を選択すべきか悩んでいる場合は、どうぞお気軽にお問い合わせ、ご相談を頂ければと思いまます。