QUESTION

金融機関に融資してもらい節税対策の保険料支払いをすることは可能ですか?可能であれば融資を使って全額損金の保険で節税対策をしたいです。

ANSWER

保険料ローンと呼ばれる、保険料支払い専用の融資を受ける方法があります。ただし、保険料ローンが効果的に働くのは、ごく限られたケースのみ。普遍的に活用できる節税プランでは無いため注意が必要です。

ごく限られたケースのみ。普遍的に活用できる節税プランでは無い。

「金融機関に融資してもらい節税対策の保険料支払いをすることは可能ですか?」とのことですが、保険料ローンと呼ばれる、保険料支払い専用の融資を受ける方法があります。ただし、保険料ローンが効果的に働くのは、ごく限られたケースのみ。普遍的に活用できる節税プランでは無いため注意が必要です。

 保険料ローンは、保険の解約返戻金に対して質権(担保)を設定します。そして、質権を設定した金額の範囲内で金融機関から融資を受け、保険料の支払いに充てます。金融機関は、万が一法人が融資を返済できなくなった場合は、質権設定した保険契約を解約。解約返戻金から融資した金額を回収します。

 法人としては

  • 金融機関から1年分の保険料を借りて保険料を支払い損金処理。
  • その後、1年分の保険料を12ヶ月に分割して毎月返済していく。

 という流れになります。保険料ローンのポイントとしては、

  • 融資を受けることができるのは、あくまで質権(≒解約返戻金)の範囲内まで。
  • 金融機関からの融資なので金利も発生する。

 という点です。

初年度から解約返戻率が高くなる半分損金の逓増定期保険が一般的。

「可能であれば融資を使って全額損金の保険で節税対策をしたいです…」とのことですが、全額損金の保険の場合、契約当初から高い解約返戻率を設定することができません。融資を受けられる範囲も小さく、解約時の目減り額も大きくなってしまいます。保険料ローンを活用した節税の場合、全額損金の保険はあまり効果的ではありません(そもそも、契約当初の解約返戻率が高くなければ質権を設定して融資を受けることができないこともあります)。

 そのため、一般的に保険料ローンには初年度(契約当初)から解約返戻率が高くなる半分損金の逓増定期保険がよく用いられます。現実的に保険で得られる損金効果はあくまで半分(1/2)損金まで、ということをご理解下さい。

一時的な要因で売上と手元資金に大きな乖離ができる場合にのみ活用。

 保険料ローンが効果的に働く限られたケースとして、例えば

  • 決算末に非常に大きな利益が出ている。
  • ただし、売掛金の割合が多く、大きな入金が期待できるのは来期以降。
  • 今期のみで考えれば、決算上の利益に対して使える手元資金はそれほど無い。

 などの状況が考えられます。

 発生主義で税金が決まる以上、本来であれば、売上が一番上がるタイミングを期首に、売上が一番少ないタイミングを決算末にするべきです。しかし、

  • 例外的に期末に大きな売上が計上されてしまう。
  • 例外的に納税負担が大きくなってしまう。
  • 例外的に期末の売上と手元資金に大きな乖離(かいり)ができてしまう。

 こういった一時的に発生する例外的なケースでのみ、保険料ローンを使って一時的な資金繰りをやりくりする、というのが基本的な考え方となります。

 一方で、

  • 毎年のように保険料ローンを組む必要に迫られる。
  • 毎年のように期末の利益と手元資金の乖離が大きくなる。

 といったケースで安易に保険料ローンを使うのはオススメできません。保険料ローンを検討する前に、顧問税理士とよく相談し、根本的に乖離が小さくなるような対策(決算月の変更や売掛金回収の仕組みの再検討など)を行うことをオススメします。

 また何かご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。