QUESTION

先日、逓増定期保険の名義変更プランと全額損金になる保険の2つを組み合わせて提案されました。よく理解できなかったのですが、この2つを組み合わせる意味・メリットみたいなものは何かあるのでしょうか?

ANSWER

おそらく逓増定期保険の名義変更プランで発生する評価損(雑損失)を利用して、ピークになった解約返戻金を税金のかからない形で解約(表面化)しようとするプランだと思います。ただし、保険だけの収支ではなく、法人全体で見た収支でプランを検討する必要があります。参考にしてみて下さい。

逓増定期保険の名義変更で発生する評価損(雑損失)を利用するプラン。

「この2つを組み合わせる意味・メリットみたいなものは何かあるのでしょうか?」とのことですが、おそらく逓増定期保険の名義変更プランで発生する評価損(雑損失)を利用して、ピークになった解約返戻金を税金のかからない形で解約(表面化)しようとするプランだと思います。ただし、保険だけの収支ではなく、法人全体で見た収支でプランを検討する必要があります。

 現時点における法令と通達の範囲内で最大限の節税が可能な非常に優秀な節税プランであり、法人に貯まった利益を効率よく個人の資産へ移せる点から、高額な役員報酬を設定するオーナー経営者によく利用されているのが逓増定期保険の名義変更(契約者変更)プランです。

 この逓増定期保険の名義変更プランはその商品設計上、3〜4年目に個人へ保険契約を名義変更する際に法人で非常に大きな評価損(雑損失)が発生させることができます。そのため、単体では利益の繰り延べ効果しか無い保険商品の出口(解約)対策として、この雑損失が利用されることがあります。

雑損失の金額分、全額損金保険を解約すれば収支は合いますが…。

 例えば下記のような逓増定期保険の名義変更プラン(年間保険料1,000万円)に加入した場合。4年目に法人から社長個人へ名義変更する際には、帳簿上の評価額2,000万円だと思われていた逓増定期保険が720万円の評価額で売却されてしまいます。そのため、法人は2,000万円(資産計上額)−720万円(評価額)=1,280万円を評価損(雑損失)として計上することができます。

(※名義変更時の買取価格に関しては、よくあるご質問「逓増定期保険の名義変更プラン、買取価格は解約返戻金ですか?」の中で詳しく紹介しています。併せて参考にしてみて下さい)

逓増定期保険の名義変更プランと全額損金保険の組み合わせ

 仮に逓増定期保険の名義変更プランと同じタイミングで、全額損金の定期保険や生活障害定期保険(年間保険料400万円)に加入していた場合、4〜5年目時点で解約返戻金も1,280万円程度(返戻率で80パーセント前後)貯まります。

 逓増定期保険を名義変更したタイミングで、全額損金の保険も解約すれば、名義変更で発生する損金1,280万円(雑損失)−全額損金の保険解約で発生する利益1,280万円(雑収入)=0円。利益の繰り延べで加入した保険も、税金がかからずに解約することができます。

保険だけの収支ではなく、法人全体で見た収支でプランの検討を。

 2つの保険だけで見れば、確かに利益と損金の収支を綺麗にゼロ円にすることができます。しかし、実際には、保険だけの収支ではなく法人全体で見た収支でプランを検討する必要があります。

 仮に保険加入から4年後に決算上大きな利益が出ていれば、逓増定期保険の名義変更で発生する雑損失は、本業の利益を圧縮するために優先的に使われます(たいていの場合、こちらのケースを選ぶことになります)。

 そうなれば、利益の繰り延べ機能しかない全額損金保険は解約返戻金を表面化(解約)することができません。解約のタイミングを逃して数年後には解約返戻率のピークを過ぎてしまうことも考えられます。

 繰り返しとなりますが節税保険を検討する場合には、保険だけの収支ではなく、法人全体で見た収支でプランを検討する必要があります。

 また、別のよくあるご質問でも紹介しましたが、保険解約時に決算書上、黒字が出ている。あるいは解約返戻金で発生する利益を消し込むような損金性のイベントが無くなってしまう、といったことも想定して計画を立てるべきです。

 弊社では、保険だけの収支ではなく、法人全体で見た収支から最適な節税保険プランを提案しております。どうぞお気軽にお問い合わせ・ご相談を頂ければと思います。